アクティブシニアって?

アクティブシニア





昨今「アクティブシニア」という言葉をよく耳にします。
アクティブ(active)とは、英語で活動的、積極的という意味です。
またシニア(senior)は概ね60歳、または65歳以上の人のことを指しますが、シニアという言葉には明確な定義はありません。







その中で、「アクティブシニア」とは、元気で活動的で、健康志向が高く、趣味や仕事などの様々な活動や消費行動、社会貢献に意欲的なシニア層の総称を指しています。
以前では「団塊の世代」「アラ還」アラウンド60」「新世代シニア」といった言葉で呼ばれていた世代の人達の内、前述に当てはまる方々を「アクティブシニア」と呼ぶようになってきています。



2030年における日本の総人口予測は約1億1912万人と減少するうえに、その内の31.1%にあたる約3715万人が65歳以上の高齢者となります。
つまり、3人に1人が65歳以上の高齢者ということになります。



しかし、その手前の2025年にはシニア市場は100兆円超の市場規模になると思われます。
特にそのシニア層の中でも65歳以上のアクティブシニア層の人数割合は約8割で、それより類推すると約80兆円を占めると思われます。
さらにアクティブシニアは購買意欲が高く、今後シニア市場を勝ち抜くためにターゲットとなり、今後取り込んでいかざるを得ない層と言えるでしょう。



この層のシニア、つまりアクティブシニア層は自分の価値観に基づく自分のライフスタイルを大切にしています。
そして、興味があることには積極的に飛び込む姿勢を持っています。
さらに、時間やお金に余裕があることもアクティブシニアの特徴です。
仕事や子育てなどが終わり、自らのためにお金や時間を使える余裕があるので、やりたい、行ってみたい、と思っていることに対して積極的に行動します。
どのような暮らしをしたいかは人それぞれですが、「元気で前向きなこと」や「自分らしさを大切にすること」は共通している傾向にあります。







またアクティブシニアの中には、健康寿命を伸ばしたいと考えている人が多いため、美容や健康にも意識が高いことが特徴です。
健康維持のため、定期的に地域ボランティアや習い事、ジム、フィットネスなどライフスタイルの中に運動を取り入れている人が多くおられます。
そして、1人で黙々と運動するだけでなく、同世代の仲間やネットなどを通して気が合いそうな仲間を探し、一緒に体を動かしてコミュニケーションをとることもアクティブシニアにとって、大切な要素となっています。



「おすすめ商品」への消費動向とニーズ







シニア特有の行動特性として、流行やトレンドなどの「おすすめ商品」を簡単に信頼しないという特性があります。
言い換えると、シニア層は比較的「流行などに流されず長年親しんできたものや自身の信頼できるものを好む」という傾向が強いです。
そういった傾向から流行などの「おすすめ商品」よりも、身近な人からの口コミに影響を受けやすいという傾向があります。
アクティブシニアにマーケティングする場合はそういった口コミマーケティングにも注目されています。
そのために、店舗の一角をミニサロン化して、気軽にいつでもご来店いただけるようにして、コミュニケーション・交流の場を設け、提供している店舗も増えています。



習い事・趣味・ボランティア







定年退職をされた方の中で、特に仕事が生きがいだった方の場合、仕事を引退してから気分が沈んでしまったというのはよく聞く話です。
しかしアクティブシニアは、このように時間を持て余して、ぼんやりと生活を送るなんてもったいないと考えるので、その空いた時間で、新しい価値観を手に入れたり、新たな「コト」に取り組む方が増えています。
体力はあっても時間がなかった若い頃と比較して、時間にゆとりを持てる老後ならば、「やりたい」と思っていたことにチャレンジできます。
アクティブシニアの中には、習い事(園芸、茶道、家庭菜園、英語学習、料理、ハンドメイド、ダンスなど)や趣味(鉄道、映画、カラオケ、写真、釣りなど)を平日、土日に関係なく、楽しまれている方々が多くいらっしゃいます。
傾向としては、他者との繋がりを感じる趣味に意欲的に参加する傾向があり、その他にもボランティアを通して、「歳をとって周りに迷惑をかけるのではなく、社会貢献をもっとしたい」という意識を持たれる方もいらっしゃいます。
と同時に、再度自分自身の人生設計を立てるきっかけになるタイミングともなっているようです。



よくある課題・問題



シニア層に対してマーケッティングしていく場合、最も陥りやすいのは「シニア」を一括りで捉えてしまうパターンです。
「シニア層」という言葉が含むのは、実際中高年層、前期高齢者、後期高齢者を一緒くたにしたマジックワードであるため、提供していこうとするターゲットが曖昧になってしまっていることも多々あります。
また、マーケッティングする側の現状の固定観念が邪魔している場合もあります。



取り扱いの製品・サービスのターゲットとなる人物像を、今までは漠然とイメージを固定していなかったでしょうか。
今後アクティブシニア層を取り込んでいくためには、同じシニア世代でも、「アクティブシニア層」にもターゲットを柔軟に広げ、かつ具体的なイメージに落とし込んでいくことが非常に大切になっていきます。
例えば、扱うトップスやボトムを、どんな人が、どんな時に身に着けてくれているか、あらかじめイメージすることが大切です。
つまり、「モノ」から「コト」への発想の転換をしていく必要が出てくるというわけです。
「コト」とは必要性(強力な消費行動)に対する理由付け、意味づけと言い換えてもいいかもしれません。(次回記事にてもう少し掘り下げてみたいと思います)



まとめ



今回は「アクティブシニア」について概論的に記事にしてみました。



今、世の中にあふれかえっている「シニアマーケティング」という言葉を、正しくとらえていくことの重要性を思います。
シニアの方々が「妥協」や「諦め」ではなく、本音で求めているものを、「もしかしてこういうことですか?」という姿勢を持つことが必要と思われます。
現在の顧客層に固執せずに、アクティブシニア層を上手に取り込むことこそが、シニア市場で生き抜く最大のポイントになるのではないでしょうか。







その為に、ターゲットしようとしている顧客層に対して、的確な商品やサービスとの出会いを作って差し上げていくプロセスとして、ショーウインドウ等のディスプレイ商材が今までの固定観念で偏ったものになっていないか、また、店舗自体が情報交換の場であり、気軽にコミュニケーションが取れるような雰囲気になっているか等々、もう一度チェックしてみたらいかがでしょうか。



次回は、レディースファッションのジャンルにおいてヒントとなる事項を記事にしてみたいと思います。

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