10月17日は神嘗祭(かんなめさい)そして沖縄では沖縄そばの日です

風物詩

神嘗祭(かんなめさい)



伊勢神宮 神嘗祭




伊勢神宮では年間1500回に及ぶ神宮の恒例の神事が行われていますが、その中でも、6月・12月の月次祭と共に「三節祭」と呼ばれ、最も重要なお祭りが神嘗祭で、神宮の年間の祭典はこの神嘗祭を中心に行われているといっても過言ではありません。
その由来は、『古事記』の神話で天照大御神が天上の高天原で初穂を食べられたことに由来する祭礼で、その年に収穫した新穀と作物を天照大御神(あまてらすおおみかみ)に捧げ、その恵みに感謝する収穫祭です。謂わば日本版「ハロウィン」とも言える行事です。



神嘗祭は、例年10月15日~17日に行われ、その際、外宮先祭(げくうせんさい)といって、まず外宮から祭儀が行われる習わしがあり、同様の儀式が1日遅れて内宮でも行われます。
もともとは旧暦の9月17日に行われていましたが明治5年(1872年)に旧暦から新暦に変わった時、日付をそのまま引き継いで9月17日に実施されるようになりました。
しかし、旧暦と新暦では1か月ほどのズレがあるため、9月17日では稲穂の成長が不十分の時期ということもあり、明治12年(1879年)に月遅れの10月17日に変更されました。



15日の輿玉神祭(おきたまのかみさい)から始まり、神職が神嘗祭の奉仕にかなうかどうかをお伺いする御卜(みうら)が行われ、
16日の夜に由貴夕大御饌(ゆきのゆうべのおおみけ)、そして17日朝には由貴朝大御饌(ゆきのあしたのおおみけ)と進んでいきます。
この大御饌(おおみけ)とは立派な食事という意味で、タイやアワビ、伊勢エビなどの海の幸や、レンコン、大根、柿など山の幸、神田で収穫された新米やお酒をお供えします。
さらに17日の正午、天皇陛下の勅使(ちょくし)が参向し、幣帛(へいはく・神へのお供え物)奉納が行われます。同時に、宮中でも神嘗祭が行われ、天皇陛下が神嘉殿において伊勢神宮を遙拝されます。
そして夕方には、日本古来の音楽・舞が披露される御神楽(みかぐら)が行われます。



冒頭に「神宮の年間の祭典はこの神嘗祭を中心に行われている」と書きましたが、



には、



神宮御園で行われる御園祭(みそのさい・神宮のお祭りにお供えする御料の野菜・果物の豊かな稔りと農作業に携わる人々の安全を祈念し、あわせて全国の農作物の成育と農業の発展をお祈りします)、そして神宮神田で行われる神田下種祭(しんでんげしゅさい・神嘗祭をはじめ、諸祭典にお供えする御料米の忌種を神田に蒔くお祭り)



には



抜穂祭(ぬいぼさい・10月の神嘗祭をはじめ、諸祭典にお供えする御料米の初穂を抜き奉るお祭りで、忌鎌で稲を刈り、その穂を一本ずつ抜いて束ね、内宮は御稲御倉に、外宮は忌火屋殿内に奉納し祭典前にお下げします。春の神田下種祭と共に神嘗祭に付属するお祭りです)



さらに



9月の大祓(おおはらい・10月の神嘗祭に先立ち、大宮司以下の神職・楽師を祓い清める儀式)
10月の御酒殿祭(みさかどのさい・内宮神楽殿の東側に隣接する御酒殿において、神嘗祭の由貴大御饌にお供えする御料酒「白酒・黒酒・醴酒・清酒」がうるわしく醸成できるよう祈願し、あわせて全国の酒造業の繁栄をお祈りします)
御塩殿祭(みしおどのさい・神嘗祭を始め、全ての祭典にお供えする堅塩を焼き固める際のお祭りで、あわせて全国の塩業の繁栄をお祈りし、5日から9日までの5日間、御塩殿で荒塩を三角錐形の土器につめて焼き固めます)等々。



このように伊勢神宮の年間の祭典は神嘗祭を中心に行われているといっても過言ではありません。



その後宮中では11月23日に新嘗祭(にいなめさい)という天皇がその年に獲れた新穀を召し上がる祭祀が行われます。



沖縄そばの日



沖縄そばの日




17日は「沖縄そばの日」です。
この日が「沖縄そばの日」になったのは、昭和53年10月17日に公正取引委員会から正式に「本場沖縄そば」の商標登録が承認されたのを受け、平成9年、沖縄生麺協同組合が10月17日を『沖縄そばの日』に制定しました。



いきさつの概略は以下のようです。



沖縄が本土復帰をしてから4年後、「沖縄県生麺協同組合」に対して県の公正取引室より名称としての「沖縄そば」を使用することにクレームがつきました。その内容は、沖縄そばには「蕎麦粉」が入っていないという点での表示違反というものでした。



ご存知の通り、沖縄そばの原料は小麦粉100%です。
このことは「沖縄そば」の「そば」は、中国から伝わったという意味合いの「支那そば」に由来する「そば」なのでしたが、日本の役所の根本的考えは「蕎麦」という違いがあったのものと思われます。
そのため「全国生めん類公正取引規約」に定められている「そば」という名称を使う場合の定義「そばの名称は、蕎麦粉が30%以上混入されていること」に抵触するというものという考えが示されたのでしょう。



これは一大事ということで、当時の組合の理事長は、東京の本庁まで出向き、折衝が数カ月に亘って続けられ、その結果、なんとか県内での限定的な使用のみ認可されるところまでこぎ着けましたが、全国規模での正式認可には「規約」の壁が厚く、半ば諦めかけていたところ、全国めん類公正取引協議会 へ移され、その中で「名産・特産・本場等」を使用する特殊名称として「本場沖縄そば」を登録してはどうかという案が示され、交渉が続けられた結果、「生めん類の表示に関する公正競争施行規則」別表に追加承認されました。そして同日、全国麺類名産・特産品としても指定されました。



ちなみに、特殊名称として登録されているのは、本場サッポロラーメン、特産信州そば、山梨ほうとう、名古屋きしめん、本場出雲そば、さぬき名産うどん、名産長崎炒麺(ちゃんぽん)、名産長崎チャンポン、そして本場沖縄そばの9品のみです。



そのときに定められた「本場 沖縄そば」の定義は以下のようなものでした。



1.沖縄県内で製造されたもの
2.手打式(風)のもの
3.原料小麦粉中のタンパク質含有量は11%以上かつ灰分は0.42%以下
4.加水量 小麦粉重量に対し34%以上~36%以下
5.かんすい 2Bh~4Bh(比重の計量単位)
6.食塩 5Bh~10Bh
7.熟成時間 30分以内
8.めん線 めんの厚さ1.5mm~1.7mm切刃番手 薄刃10番~12番。
9.手もみ 裁断されためん線は、ゆでる前に必ず手もみ(工程)を行う。
10.ゆで水のPHは8から9であること。
11.ゆで時間 約2分以内で十分可食状態であること。
12.仕上げに油処理が施されていること。



現在では「生めん類の表示に関する公正競争規約」において「中華めん」の一名称として認められており、かんすい(唐あくを含む)を用いた麺に対しては、産地や製法などの制約なく沖縄そばの名称を使用してよいことになっていますが、平成18年には地域団体商標として「沖縄そば」が認定されたため、原則として、商標権者である沖縄生麺協同組合の許可を得ずに「沖縄そば」の名称は使用できないことになっています。



中国から麺類が伝わってきたのは正確な記録は残っていないが、400~500年前と言われています。その後永い年月の中で手が加えられ、琉球王国宮廷料理としての「沖縄そば」が確立されました。
しかし明治時代になっても「沖縄そば」は一部のお金持ちの食べ物で現在のように沖縄のソウルフードとして広く庶民に親しまれるようになったのは戦後になってからだそうです。
そして今では「農山漁村の郷土料理百選」にも選ばれています。



「沖縄そば」のスープはほとんどの場合、豚だしと鰹だしのブレンドです。定番トッピングは、三枚肉・かまぼこ・ネギですが、昔は赤肉(豚の赤身)とネギというシンプルなものだったようです。



最近では、ソーキ=豚のあばら肉やテビチ=豚足の煮たもの、さらには紅しょうが、薄焼き卵、結び昆布、干し椎茸の甘煮などをトッピングしたものなど進化してきて、中には、沖縄そば=ソーキそばのように思われている方も多いようですがこのように進化したのは、極々最近になってからです。

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