シニアのファッション

アクティブシニア

シニア女性の7割がおしゃれに関心あり、衣服出費は月平均2万円と、身だしなみや自分磨きに一定額投資する傾向があります。
とは言うものの昨今の物価高騰や、長生きすることによって増加する生活費や介護・医療のコストを考えると、簡単には財布の紐をゆるめません
そうした中で、強力な消費動機になっているのが、自分のためにモノを買う消費ではなく、「誰かが喜ぶ顔が見たい」「記憶に残る体験がしたい」という、人との関係性の中で充実感を求める「自己充実感の強い時間消費や体験消費」だそうです。



シニアのファッションってどんなイメージ?







最近、なんとなくシニア世代の方々が若々しくおしゃれになってるような気がする、と思ったことはありませんか?



もちろん個人差はありますが、雇用延長の影響や意識の変化等もあって、シニアは実年齢より5~10歳若い感覚で過ごしているとも言われています。
ご本人も周りも「60代なんて、まだまだ若いよ」という認識が主流になってきています。
しかも、無理な若作りではなく、年齢なりの「自分らしさ」に沿った自然体を目指すのが、最近の傾向と言えそうです。



シニアのファッショントレンドも同時進行化?



シニアでも流行の伝播スピードがどんどん加速しているのは確かでしょう。
かつては、若い世代とシニア世代の間で、流行スタイルの同時進行は見受けられなかったのですが、最近では時差が、かなり縮まり、早い段階で「トレンド」を着こなすおしゃれなシニア女性を目にする機会が増えました。
若い人はこのお店、シニア世代はこのお店、と買うお店が完全に分離していたのは過去の話で、今では、ファストファッションのお店では、カジュアル系、ファッショナブル系いずれにおいても、あらゆる世代の方が買い物している姿を目にします。
これは、シニア世代の洋服の買い方として、ここ数年で見られるようになった大きな変化ではないでしょうか。



とは言え、これは一つの事例ですので、おしゃれはしたいけど「迷子」状態という方々が未だ大多数なことも否めません。



そこでシニア女性に、ファッションに関するお話を伺うと、おしゃれに関して何らかコンプレックスを抱えておられることが多く、妥協して服を選んでいる方も少なくありません
「流行の服を着こなして、実年齢より10歳以上若く見られたい」「無理して若い服を着てるおばあちゃんって思われるのは嫌」「昔の感覚で服を選ぶとしっくりこない。似合う服がわからなくて困っている」「自分ではまだまだシニアだと思ってないのにシニア扱いされるのが本当は嫌」等と答えつつも、最後は、「自分でもわかってはいるんですが、素直に受け入れられないんです」とおっしゃいます。
どうも気持ち的にしっくりきていない、ということのようです。



「どうありたい」「どう見られたいか」で揺れる心







当然、加齢と共に体型も変化するのは致し方のないことです。
ただ、本人が自覚して心の中でひそかに思っていることであっても、人から指摘されるのは快いものではありません。
ですから、服を買いに出かけ試着室の鏡で見て、「あ、やっぱりこのスカート丈はもう似合わない」と思った時に、心を察し、さっと別のアイテムを選んで持ってきてアドバイスしてくれる店員さんをシニアの方々は信頼します
自分が着たいものを着ればいいと思いつつ、できれば本当に似合うものを着たいのが本音です。
自分ではわからなかったことをズバッと解決してもらった記憶は、感動体験として印象に残るもので、それこそシニアの方々は義理堅い方が多いので、一度ファンになり、信頼した店員さんのいるお店にはせっせと通ってくれます
会話を交わせる行きつけのお店を持つことが、理想の洋服との出会いにつながり、強力な消費動機を生じていただける瞬間です。
このことは、前回の記事でも書きましたが、店舗の一角のミニサロン化にも繋がる事例ではないでしょうか。



シニアのファッションポイント



シニア層の中には、「もう年だから…」「年齢とともに体型が変化してきた」「肩や腕がうまく動かせない」などの理由で、オシャレをあきらめている方も結構多くおられます。
体型の変化や、身体をうまく動かせなくなった人でも、その変化に合わせて自分の好きなファッションを選べることをお知らせしましょう



いくつになっても、オシャレをすれば見た目が若々しくなり、気持ちまで前向き(ここが大事なポイントです)になります。
次のようなポイントを参考にして、是非思いっきりオシャレを楽しんでもらいましょう。



体型や身体能力の変化をカバーするファッション



 







  ●下腹部がせり出てきた人へ



下腹部がせり出てくると、ベルトを締めるウエストの位置が上がり、ズボンの裾が短くなってしまいます。このような場合は、少し厚みのある綿のワンピースや、薄いスウェット生地でできたズボンなどを着ると、お腹まわりをスッキリと見せることができます



  ●胴回りが太くなった人



腰の一番太いところが胴回りです。胴回りが太くなると、ワンランク大きなサイズのズボンを選んでしまいがちですが、太くなったのは大抵胴回りだけという方が多いので、ウエストにゴムの入ったズボンを選べば大丈夫です。



  ●細かい動作がしづらい人



シニアになると手先が動かしづらくなります。小さいボタンがかけづらくなるので、大きめのボタンを使っている服をお勧めしてみたらいかがでしょうか。
また、現在お使いの服のボタンが小さい場合は、ボタンホールを大きくして大きなボタンに付け替えたり、マジックテープを生地の裏側に縫い付けると着やすくなります



  ●腕や肩が上がらない、腕を後ろにまわしにくい人へ



肩の関節の動きが悪くなると、洋服の着脱が難しくなります。腕が上がらない場合は、ワイシャツのように前が空いている服を選んでみましょう
また、袖を通しにくい場合は、アームホール(袖を付ける部分の穴)や袖口が広いものを選んでみてあげてください



  ●腰が曲がってきた人



腰が曲がってくると、背中がせり出てきて洋服が合わなくなります。後身頃が長めの服を選ぶと背中をすっぽりと包めます



シニア女性のコーディネートのポイント



シニアになると地味な服を選びがちですが、顔のくすみやシワ・シミなどをカバーするためには、明るい色や大きめの華やかな柄の服はいかがでしょうか。
具体的には、トップス(上の服)に赤やピンク、オレンジ、イエローなど明るい色を思い切って採用してみましょう。
また、首元に華やかな柄のスカーフを巻くと、顔色がすっきりと明るく見え、首元のシワも隠せます。さらに光沢のあるメガネやアクセサリーをつけると、顔を華やかに見せることができますので、アイテム選びにもアドバイスして差し上げてもいいかもしれません。







細く見せたい人は、ブルーやグレー、ブラウン色の服を着ると引き締まって見えます。
丸顔の人は、Vネックのトップスを着ると顔が細く見えます。
面長の人は、丸首やボートネック(首まわりが浅く広いタイプ)のトップスが似合うでしょう。



この辺に関しましては、読者の皆様の方がより詳しいと思いますが、「釈迦に説法」を覚悟の上で、付け加えさせていただきました。



【おまけ】シニア男性のコーディネートのポイント



なぜ男性のコーディネートが大事かと申しますと、
一緒に歩いてくれるシニア男性のオシャレにも気になるものです。
そしてご自身とのコーディネーションという「コト」も頭を過ります







そこで、男性のイメージとしては、オレンジや赤、イエロー系統のトップスを着ると明るく柔和な印象を与えます
でも、女性に比べて男性の方がシャイな傾向もありますので、明るい色に少し抵抗感のある方は、からし色や赤茶、赤紫など落ち着きのある暖色を選ぶと幾分でも若々しく見えるそうです。
また、ストライプやチェックのポロシャツ、ロゴ入りTシャツなどを着ると、見た目に動きが出て溌溂として見えます。
この色遣いや柄選びなどは、男女共通かもしれませんので、男性が先か、女性が先かの問題で、最終的には男女のコーディネートもお勧めしてみるのも一興です。



まとめ



どの世代でも、ファッションへの関心度はライフスタイルにより様々です。



お客様に強力な消費動機を生じていただくためには、前回少しだけ触れました「モノ」ではなく「コト」を起点にした切り口が大切になっていきます。



「コト」の例を挙げると
・再び仕事をするようになった
・同窓会、結婚式などのイベントに呼ばれた
・友達と旅行に行くことになった
・鏡を見ていたら何となく老けた感じがした
・同年代の友達が自分より若く見えた
・季節の変わり目に着る服がない
・サイズが合わなくなった
等々



このような「コト」に「モノ」が結びついた時に強力な消費動機が生まれてくるのではないでしょうか。



次回は、シニア女性の足元においてヒントとなる事項を記事にしてみたいと思います。

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