その素材は夏には向かない?

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ポリエステルは夏には向かない?







ポリエステルは夏には向かないと言われることもありますが、それは一概には言えません。
夏の衣料品においてポリエステルは一般的に利用される素材です。その上、近年どんどん進化していっています
そこで、以下にポリエステルの夏における特性と考慮すべき点をまとめました。



特徴



速乾性



ポリエステルは速乾性が高いため、吸収した汗を乾燥させます。この特性により、汗をかいた後でも乾いて快適な着心地を提供します。



耐久性



ポリエステルは耐久性があり、摩擦や引っかき傷に強いため、万が一の使用に耐えます。また、色あせしにくい性質も持っています。
頻繁に洗濯したり着用しても品質が下がりにくいです。



シワになりにくい



ポリエステルはシワになりにくい素材であり、アイロンをかける必要が少ないです。



留意すべき点



通気性



ポリエステルは通気性が低く、空気の循環が制限されるため、蒸れやすい特性があります。 暑い環境や発汗しやすい場面では、汗が蒸発しにくくなり、不快感を感じる可能性があります。



吸湿性



ポリエステルは吸湿性が低いため、汗や湿気を吸収しにくいです。





一部のポリエステル製品は、紫外線からの保護機能を備えていますが、それが全てのポリエステル製品に備わっているわけではありませんUVプロテクトを重視する場合は、製品のラベルや説明を確認する必要がありますあります。



吸湿性を補うための製品技術が採用されたポリエステル製品



近年ではポリエステル製品の吸湿性を向上させるための製品技術がいくつか採用されています。



吸湿速乾性ポリエステル(ハイドロフィルポリエステル)



ポリエステル繊維に吸湿性を持たせるため、特殊な加工や繊維構造を採用した素材です。この技術により、通常のポリエステルよりも水分をより多く吸収し、速乾性も向上します。



ポリエステルと天然繊維の混紡



ポリエステルと吸湿性の高い天然繊維(例:綿、リネン)を混紡することで、吸湿性を向上させることができます。この組み合わせにより、ポリエステルの耐久性と天然繊維の吸湿性を取り入れることができます。



吸湿性加工



ポリエステル素材に特殊な吸湿性加工を行うことで、通常のポリエステルよりも水分をより多く吸収します。これにより、汗をしっかり吸収し、肌のべたつきを軽減します。



ポリエステルは速乾性や耐久性の面で優れていますが、通気性や吸湿性の低さが欠点とされています。ちなみに、ポリエステルの服が夏に適しているかどうかは個人の好みや使用状況により異なります通気性の良いデザインや吸湿性を補うための製品技術が採用されたポリエステル製品も存在します。 最終的な選択は、自分の快適さと好みに基づいて行うことが重要です。



新たな技術・ナノシア加工



ナノシア加工は、アパレル業界でも注目されており、様々な応用が進められています。



撥水性と防汚性の向上



ナノシア加工を施した衣料品は、撥水性が向上し、液体や汚れが表面に付着しにくくなります。これにより、雨や水のしみ込みを防ぎ、汚れが付きにくいため、衣料品の耐久性が向上します。



抗菌性と消臭効果



ナノシア加工によって衣料抗菌品の表面に微細な剤をコーティングすることができます。これにより、細菌の繁殖を抑制し、衣料品の抗菌性が向上します。なナノ構造によって臭いを吸着・分解する効果もあり、衣料品の消臭効果が期待できます。



UVカット効果



ナノシア加工を施した素材は、紫外線を吸収・反射する性質があるのです。そのため、衣料品にナノシア加工を最大限に、紫外線の吸収を防ぎ、肌へのダメージや日焼けを軽減するUVカット効果が得られます。



柔軟性と通気性の向上



ナノシア加工によって、素材の表面を均一にコーティングするため、衣料品の柔軟性や通気性を考慮せずに改善することができます。例えば、スポーツウェアやアウトドアウェアにおいては、汗の蒸発を促進する通気性の向上が重要です。



光沢や色の改善



ナノシア加工は、光学的な特性を制御することも可能です。特殊なナノ構造によって、衣料品の光沢感を高めたり、色のカラフルさを引き出したりすることができます。



アウトドアウェアやスポーツウェアにおいては、撥水性や通気性を向上させるためにナノシア加工が施されています。
また、抗菌性や消臭効果を持たせるために利用されることもあります。
業界におけるナノシア加工は、衣料品の機能性や付加価値を向上させるための一つの手段として、今後ますます重要性を高めていくことが予想されます。



原色、パステルカラーなどの服は夏には向かない?







これはあくまで「汗が目立たない」という観点から見たチョイスです。
では、夏でも原色、パステルカラーなどの服を爽やかに涼しげに着るにはどのような工夫が必要なのでしょうか。







汗対策



インナー



前回も書きましたが「夏こそインナーを着て欲しい。その1枚が夏を快適に過ごす近道」です。
インナーはレイヤードファッションの一部として考えると機能性もあり、ファッション性もありでいいことばかりです。
インナーも何色か用意しておくと、透けずに、洋服に合わせやすくて便利でし、意外と涼しく、汗じみ対策など洋服にもやさしいです。
その上、服を選ぶ選択肢が格段に広がります。



制汗剤の利点と留意点







夏場、制汗剤を利用して汗対策をされている方もおられると思います。
制汗剤は、過剰な発汗を抑制するために使用される製品です。
そこで制汗剤の利点と留意点を挙げておきます。



利点


発汗を部分的に抑制


制汗剤は、体の特定の部位での発汗を抑制する効果があります。
これにより、気になる部分の汗の量を減らすことができ、不快感を軽減することができます。



気になる臭いの軽減


制汗剤には、臭気成分が含まれている場合があります。これにより、発汗時に不快なにおいを軽減することやコントロールすることができます。



快適さの向上


長時間の発汗が軽減することで、身体の快適さを向上させることができます。
特に、運動や暑い環境下での活動時に制汗剤を使用することは、快適な状態を維持するのに役立ちます。



留意点


使用方法の遵守


制汗剤の使用には、製品の指示に従っていることが最も重要です。
使用方法使用量確実に守ることで、効果的かつ安全な使用が可能となります。
皮膚疾患を持つ人やアレルギーがある人は、医師や薬剤師と必ず相談して、使用の可否を含めて、使用する際も適した正しい製品を選ぶべきです。



皮膚刺激の可能性


制汗剤に含まれる成分や香料などは、一部の人にとって刺激やアレルギー反応を考える可能性があります。
ご利用にあたっては、他者への優しい配慮も必要です。



デザイン選び



グレー・カーキ・ベージュなどの落ち着いたカラーや、原色、パステルカラーなどは、汗をかいた時に目立ち易いというデメリットもありますが、これらのカラーも素材やデザインなどの選び方次第で涼しく着こなすことは可能です。



汗染みが目立ちにくい素材・デザイン・柄の服を選ぶ



ポリエステルや麻、シルクといった汗染みが目立ちにくい素材の服を選びましょう。
前の項目で紹介したポリエステルは吸湿性に難があるという欠点を逆手に取り、汗が表に出にくいという利点があります。



黒や白のほかに、意外にも赤や黄色、オレンジなどの鮮やかな原色も、意外と汗ジミが目立ちません







また、服の柄によっても汗染みの目立ちやすさは異なります。
柄ものを着用するのなら小さくて細かい柄がついたデザインを選ぶのがおすすめです。
たとえば、細めのボーダーやストライプ、チェック、小花柄なら、多少汗に濡れても柄の中に汗ジミが目立ちやすい色と目立ちにくい色が混在しているため、汗ジミがひとつの固まりとして目立ちにくくなります。



さらに腕や脇周りに余裕があるフワッとしたデザインの服は脇汗をかいても服につきにくいという点でおすすめです。



まとめ



汗対策というと気が重くなってしまいますが、この夏、汗対策をしながら「生活習慣」を正してみたり、ちょっと明るめの色やトレンドにチャレンジしてみたらいかがでしょうか。
さて、前回と今回はややお客様の目線にたった記事でお送りしましたが、次回は販売側サイドにたってシニアのファッション販売者の役割について考えてみたいと思っています。

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